勢いと思いつき
『〇〇は考える。
人の後ろに俺がついて行くのか
俺の後ろに人がついてくるのか
そもそも人の後ろについて行くような生き方が俺にできるのだろうか
それが俺にとっての納得のいく生き方なのだろうか
答えはとうの昔に出ている
今更曲がるはずのない答えが。
自分の後ろを歩く人たちを守るために研鑽を積み、自ら新しい道を切り開くために先頭を疾ってきたのだ。
だとしたら答えは決まっているのだろう。
「やるよ。俺の人生だ。他人が口出しするんじゃねぇ。できないなんてこれっぽっちも思ってねぇよ。」
数年ぶりに見たまっすぐな瞳。
静かに、熱く燃えるような瞳。
そうだ。自分たちが憧れた人はこの人なんだ。
この世の理なんて簡単に曲げてくれそうなこの人の、この瞳なんだ。
「一泡吹かせてやりましょう。」
あまりの迫力に思わず声が上ずる。
後ろに並ぶ全員の気持ちを代弁する。
「あなたについていきます。今回の企画の総指揮をよろしくお願いします。僕らに伝説として語り継がれてきた"鬼才の〇〇"を見せて下さい。」
〇〇は紫煙を吐き出しながら口元を吊り上げて言う。
「知った風な口をきいてんじゃないよ。お前らの聞いた伝説の100倍はキツイと思っとけ。早速明日からかかるぞ。」
その瞳にはもう以前のような迷いや絶望はない。静かに、誰よりも熱く滾り、宇宙のような煌めきを宿す瞳だ。
「よっしゃーーー!!!やるぞーーー!!!」
シーンとした13課の部屋が△△の声を皮切りに皆の歓声に包まれる。
やっとだ、やっとここまできたんだ。
役者は揃った。俺たちはできる。
「よし、じゃあ今夜は景気付けに全員で飲みに行くぞ!」
△△が興奮を抑えきれないように皆に声をかける。
誰かが言う。
「もちろん△△さんの奢りですよね!」
「当然だ!好きなだけ飲んで食え!」
そう言いながら△△が部屋を出て行く。
それに皆がついて行く。
13課が一丸となった。このチームならきっとどんな困難も乗り越えられるだろう。
この日は皆浴びるように飲んだ。
全員が燃えるような闘志で、煌めく瞳で理想を語り合いながら朝を迎えた。
この会社の夜明けも近いのかもしれない。』
GWに久々に沢山小説を読んだもんだから、思わず電車の中で即興で小説の1シーン書いてみた。
本を読んでないぶん文章力に衰えを感じる。
頭の中には前後のストーリーも一応できてる。
こういう働き方なら楽しそうだなっていう願望のストーリー。
ないだろうけど需要と暇があれば短編ぽく仕上げてみようかな。